<米大統領>欧州の追及に譲歩…「CIA秘密施設は存在」
ブッシュ米大統領が6日の演説で「テロ容疑者」を収容する秘密収容所の存在を認めたことは、米中央情報局(CIA)によるテロ容疑者の不当拘束疑惑の解明を進めてきた欧州の人権機関「欧州評議会」などにとって大きな収穫だ。欧州側は秘密収容所が東欧にあると指摘していたが、米国はこれまで認めてこなかったからだ。しかし、ブッシュ大統領は「収容所でテロ容疑者に対する拷問が行われた」との欧州側の指摘を依然、認めておらず、欧州側はさらに追及するとみられる。
ブッシュ大統領の演説によると、当局は02年、米同時多発テロの首謀者とされる国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者と関係があるとみられるアブ・ズバイダ容疑者をパキスタンで拘束。CIAの尋問で得られた供述を基に当局がアルカイダのナンバー3とされるハリド・シェイク・ムハンマド容疑者を逮捕すると、同容疑者は米国の高層ビル爆破や炭そ菌入手などの計画を明らかにしたという。
欧州評議会や欧州連合(EU)の欧州議会はCIAが欧州各国で「テロ容疑者」を不当に拘束した際に使ったとされる航空機の飛行記録を調査し、ルーマニアやポーランドに秘密収容所があると指摘していた。さらに、欧州側は不当拘束疑惑の「被害者」の証言を克明に調査した上で、彼らが送られたというエジプトなど第三国やグアンタナモ米海軍基地(キューバ)の収容所で国際法違反の虐待が行われたと断定している。
今回、ブッシュ大統領は秘密収容所の場所を明らかにしていない上、「CIAはテロ容疑者を拷問していない」と主張している。これに対して、欧州側では「米がその場しのぎの回答を行った」(欧州議会幹部)との批判がくすぶっている。米国が「拷問疑惑」などに答えなくとも、欧州側が独自に徹底的な調査を進めるのは間違いない。